非公認地球防衛軍 第二章 〜出会い 2〜


 日が傾き、窓から差し込む太陽の光で光代の影は長く伸びていた。時計は午後5時を過ぎようとしている。先程まで保健室に溜まっていた生徒達を帰し、光代は一人保健室の窓辺に佇んで、誰かを待っていた。
 コンコン
 返事も待たずに扉は静かに開かれた。入ってきたのは一人の女生徒だった。少女は扉を後ろ手に閉めるとジッと光代の事を見つめている。その瞳は潤み、何かを求めているようだった。その表情は、幼さを少女には似合わない、淫らな顔を向けていた。
「いやっしゃい」
 カーテンを閉めると少女を手招いた。白いカーテンが夕日を遮り、セピア色に染めていた部屋をモノクロームに変えていく。少女は真っ直ぐ光代を見つめながら近寄ってきた。
 右手で少女の頬を撫でると、少女は頬を赤らめ、そっと光代の手に自分の手を重ねる。
「はあぁぁ……」
 少女はそれだけで感じているようであった。徐々に息が荒くなり、制服のミニスカートから伸びる足には一筋の蜜が流れ落ちていく。
「いい子ね、沢山集めてきたのね」
 縁なしの眼鏡を外し、光代は少女に微笑みかける。その微笑は、優しい先生の微笑みではなく、怪しく淫靡な微笑みだった。
 少女はたまらず抱きつき身をゆだねる。光代は、少し躰を離すとアゴに指を添え上を向かる。少女の唇が少し開いた……それを吸い寄せるように、軽く唇を重ねると躰を離しベットを指さした。
「そこで待ってなさい」
 キスでさらに荒くなった息を整えようともせず、少女はふらつく足取りでベットに向かった。その太股にはさらに多くの蜜が溢れ、カーテンの隙間から差し込む夕日が当たりキラキラと輝いていた。
 光代は保健室の鍵を閉め、ベットへ向かった。真っ直ぐに少女を見つめ唇を舐める。その表情は、獲物を前にした肉食獣を想像させた。
 ベットに座り、拳を膝に当て、何かを我慢しているように俯いている少女の横に、光代は腰をおろし耳元でささやく。
「さあ、我慢しないで、自分でやりなさい」
 少女は潤んだ瞳で光代を見る。その肩を軽く押すとベットへ倒れ込んだ。
 いっこうに動こうとしない少女を見て、優しく微笑む……
「しょうのない子ね……」
 光代はスカートをまくり上げ、見た目でも解るほど濡れたパンティーの秘部に指擦りつける。
「ああああぁぁぁ……」
 全身を振るわせ、少女の可愛らしい喘ぎ声が上がる。押しつけた指を離すと付着した愛液が糸を引ていた。
「こんなに濡らしちゃって、何時までもこんな物履いてると風邪ひくわよ」
 そう言うとパンティーに手を掛け一気に脱がせた。少女は何の抵抗もせず、なすがままそれに応じていた。
 少女の分泌液で多少重量を増したパンティーの股間部分を美味しそうに一舐めし、光代は少女の横へと倒れ込む。
「ほらこんなに濡れちゃって、しゃぶってみなさい」
 少女は自分のパンティーを受け取り、言われたとおり濡れた部分を舐める。
「もう一つの手はここ……」
 片方の手を取り、股間へ導いてやる。それだけで、少女の手はスカートを捲り、愛液を吐き出す秘裂に指を差し入れた。
「はああぁぁぁ……アウッ……」
「そう、可愛いわよ」
 自分の濡れたパンティーをしゃぶり、自慰に更ける少女……
 何ともいやらしい光景であった。
 少女の股間からは淫靡な音が奏でられ、保健室には少女の香りが充満していった。
 必死に自分のパンティーをしゃぶり、ベットにシミを広げていく少女は、横で寝ながらその行為を眺めている光代を見返した。
「ハアハアッ……もうだめ…舐めてください……このままじゃ……イケません……」
 その言葉を聞いて薄い笑みを浮かべながら、光代は少女の下腹部へと落ちていく。
 少女の手を退かせ、愛液が溢れてくる秘裂をジッと見つめた。
「フフフッ、感じるでしょう。感度の上がった躰はどうかしら」
「はうっ……気持ちいいです……でも…でもイケないんです……私一人じゃ……」
 少女の躰は、敏感に反応している。しかし、絶頂を迎えられないでいた。自分でどんなに頑張ろうと絶頂まで辿り着けない。今まで以上に感じているのに逝けないのだ。快楽だけが体の中に溜まり、狂い出しそうになるのを耐えるしかなかった。
「そんなに、イキたいの? いけない子ね。先生はそんな風に教えた覚えはないわよ」
「ごめんなさい……お願いします…先生…舐めてください。先生の舌で舐めてください……私が…集めてきた物を……先生が吸い取ってください……」
 訳のわからない願いを少女は口にした。しかし、光代は納得しているようだった。両手で秘裂を開き、真珠の様に輝く珠をむき出しにするとそっと一舐めした。
 それだけで少女の躰は、バネが入ったように跳ね上がる。
「はうっ……はあ…はあ……もっと……もっとしてください……」
「こんなに感じるなんて、何人の男の精液を貯めてきたのかしら……」
 何人もの男と寝るような娘には、見えなかった。
「……先生に…喜んで欲しかったから……私…私……」
「良い子ね……でもそれは嘘ね。さぁ本当の事を言いなさい。自分が気持ちよくなりたかったからだって」
 珠をもう一舐めする。少女は涙を流しながら哀願した。
「はあぁぁ……そうです……自分が気持ちよくなりたかったからです……だって…だって……何人もとすると……先生とする時が……気持ちよくなるから……」
「そうでしょ。自分には素直にならなくちゃダメよ。でも、余り無理はてはいけないわよ。躰が、崩壊してしまうから……あなたは、良いけど私に迷惑が掛かるから、貯めて来るのは5人までにしなさいね。解った!」
「は…い……解りました……だから……早く……」
「もう、しょうがない子ね」
 そして、少女の希望は叶えられた。珠に押しつけるように舌を這わすと、10代の少女とは思えない艶めかしい喘ぎ声が、保健室に発せられた。
「はあっ……はあぁぁぁ……」
 少女は、涙を流しながら微笑んでいた。愛撫されるのが嬉しかった。耐えきれない快楽が苦しかった。しかし、その苦しみも躰は求めている。どんどん頭の中の霧が濃くなっていく。何も考えられない……ずっとこの快楽に浸っていたい。少女は、快楽の欲望だけで動いているようだった。
 珠の愛撫に飽きた舌は、秘裂の奥へと進んでいった。
「ダメェ……そんな奥まで……当たる……子宮に当たってるぅぅ……」
 そんな事はあり得ない。舌が子宮まで届く筈などない。だが、秘裂に差し入れられた舌は、どんどん奥へと進んでいった。それどころか、太さも増していく。まるでそれは、光代が男根を愛撫しているように見えた。しかし、それは光代自身の舌である。太さを増した男根の様な舌をゆっくりと出し入れしている。そのストロークに会わせ少女は腰を動かし、快楽を増強しようとしていた。
「……そう……これなの……これが欲しかったの……もうこれじゃないと……イケないの……ハアァ……イキそう……出そうなの……私の中の…物が……暴れてる……気持ちいい……気持ちよすぎるの……」
 見開かれた瞳は、視点が会っていない。口からはだらしなく涎が流れ落ち、まるで発狂しているように見える。
「ダメェェ……イクッ……イクゥゥゥ……」
 少女は思いっきり躰を反らせ快楽の時を迎えた。光代は、膨れあがった舌を一気に抜き、秘裂を塞ぐように大きく口を開ける。そして、口の中に快楽の雫が噴き出された。しかし、それを旨い具合に全てこぼすと秘裂を思いっきり吸った。
「ハアァァ……出るぅぅぅ……」
 先程とは違う快楽が少女を襲う。そして、先程とは違う物が光代の口に注ぎ込まれた。それは、光を帯びていた。カーテンを閉めた薄暗い保健室を光が包みこむ……光は少女から光代へと流れ込んでいった。
 光が全て光代に流れ込むと同時に、少女がグッタリとベットへ倒れ込んだ。その躰は、未だ快楽でピクピクと痙攣が続いている。
 汗で濡れた少女の髪を掻き上げ、微笑みながら光代はその顔を見つめている。しかし、その瞳からは愛情のカケラも伝わってこない。
「また男を誘って、沢山精を集めてくるのよ……そうすれば、また気持いい事をして上げるから……」
 その言葉を少女は聞いていなかった。聞いていなくともその通りにするだろう。
 光代は、息の荒いままの少女を気にもせず白衣を脱ぎ保健室を後にした。

 保健室の出来事の1時間程前、午後4時を少し回った時間、晶は一人商店街を歩いていた。学校の帰り、夕飯の買い物をして帰るのが日課だった。今日はスーパーの安売りの日だ。晶は楽しそうに買い物かごをぶら下げていた。
「今日は、何を食べようかな」
 一人で食べる夕食は寂しかったが、料理の得意な晶は、毎日の献立を考えるのが好きだった。ゆっくりと買い物を済ませ、商店街を歩いている姿は、どう見ても女の子にしか見えなかった。
「あれ?」
 マンションの前に、思いもしない人物を見つけた。晶を待っていたのだろうか、晶に気が付くとその人物は、にっこりと微笑み小さく手を振った。
「片桐さん」
 晶は小走りに澪に駆け寄った。
「こんにちは! 片桐さんもこのマンションに住んでるの?」
「いや、君を待ってたんだ」
 こうやって並ぶと、ずいぶんと背の高さが違う、晶は155センチ位しかないのだが、澪は170を越えている。晶の方が澪を見上げる形になっていた。
「えっ僕の事を……でも、どうして家がわかったの」
「それはいいから、それよりちょっといいかな」
 澪はまじめな顔をして晶を見返している。その顔も凛々しく美少年と言った感じだ。
「うん、じゃあ僕の家ここの六階だから、お茶でも飲みながらお話しよ」
 そう言うと晶は澪を促した。どんなに突然でも来客は嬉しい、晶の顔は綻んでいた。
 この時間、いつもならマンションの住民に出会うのだが、今日は誰とも会わず澪と二人でエレベーターに乗り込んだ。何故か少し緊張してしまう。
──転校してきたばかりの片桐さんが何の話が有るんだろう……でも、何だかドキドキしちゃうな、こんなカッコイイ人と二人でエレベーターに乗るなんて。
「どうかした?」
 チラチラ見る晶の視線に気が付き晶をのぞき込む。
「ううん……なんでもない……」
 頬を赤く染め視線をそらす事しかできなかった。そんな反応を澪は嬉しそうに見つめている。その表情は慈愛に満ちていた。
 エレベータが、軽い振動を残し停止した。
「……あっ着いた。こっちだよ」
 恥ずかしさを誤魔化す貯めに少し早足で扉へ向かった。ポケットから鍵を取り出して扉を開ける。
「どうぞ……誰もいないから遠慮しないで」
 来客用のスリッパを履くと澪は周りを見渡した。
「どうしたの?」
「いや、綺麗にしてるなって思って」
 隅々まで掃除の行き届いた玄関に、澪は感心していた。
「そんな事ないよ。いつもはもっと散らかってるんだけどこの前掃除したばかりだから……さぁ、上がって」
 何故か、澪といると緊張はするのだが、楽しい気分になる。そして、リビングの扉を開けた瞬間……
「いや〜お帰り、おじゃましてるよ」
 晶は、一瞬にして凍り付いた。リビングのソファーに知らない白衣を着た男が座っていたのだ。
「いや〜驚くのも無理はない。でも驚かないでくれ、別に泥棒って訳じゃないんだから、私も晶くんにお話があって伺っただけだから。そりゃ驚くよね、いきなり帰ってきたら知らない男が、勝手にお茶なんか飲んでたら。まあ、落ち着いて……さあ座って、お茶でも入れるから……君の家のお茶だけど」
 男は立ち上がり、晶を座らせた。
「…………」
 言葉が出てこない、驚いた……確かに、驚いてはいるのだが、澪と一緒にいる事が、何故か安心感に繋がっている。
「シンディ紅茶三つ入れてくれ、さあ澪もそこに座って」
 そう言われて、慌てて澪の顔を見返した。
「……片桐さん……知り合いなの……」
 再び驚いた。この訳の解らない男と澪が知り合いだとは……でも、それを知って少しだけ気持ちが落ち着いた。とりあえず澪と言う接点が出来た。
「来るなんて言って無かったじゃないか。晶の事は任せてくれるって言ったのに」
 多少落ち着きはしたが、頭が混乱している。澪は何を言っているのか、何を任せられていたのか……
「いや〜そうなんだが。説明もせずに、押し倒しやしないと心配で心配で」
「…………」
 図星を突かれて澪は絶句する。
「……ちょ…ちょっと、待ってください。一体何を言ってるんですか? あなたは誰なんですか?」
 説明を受けなくては、状況の把握など出来る場面ではない。晶は、パニックを起こしていない自分が不思議だった。
「こりゃ失礼、私は葛西といいます。あっこれ名刺ね」
 葛西は白衣のポケットから名刺を取り出し晶に渡す。
「葛西研究所所長、葛西良太……あの……その研究所の所長さんが一体僕に何の用なんですか? それに片桐さん、これは一体どういう事なんですか?」
 不安そうに訪ねる瞳には涙が溜まっていた。
「はーい、皆さん落ち着いて、話を始める前に紅茶でも飲んで落ち着いてください。さあ晶さん落ち着いて……お茶でも飲んで下さい」
 絶妙なタイミングでお茶を持ってくるシンディ、その口調に晶も座り直し紅茶を飲む。
「……おいしい。 これ、家に有った紅茶ですか…………あっあなた誰ですか……」
 素直に紅茶を受け取ってしまったが、知らない顔がまた現れた。
「はい、私シンディと申します。葛西先生の助手を務めております」
 丁寧に頭を下げるシンディ、それにつられ晶も会釈する。
「もう、一つ一つ説明してください。一体何が何だか……」
 頭で理解出来ないもどかしさから、再び瞳を潤ませた。
「晶、泣くな! 今説明するから……おい、説明しに来たんだろ」
 女を泣かせ慣れている葛西は、多少瞳を潤ませようが動じない(晶は男なので当然だが)。それどころか、シンディの持ってきた紅茶をゆっくり味わっている。
「う〜ん旨いねぇ〜……それじゃ、説明しましょうか。我々の自己紹介は終わってるから省くとして、晶くん、君はこのテストを受けましたね」
 テスト用紙を受け取る。それは2学期の始業式の日にやった訳の解らないテストだった。
「……はい、始業式の日に受けました……」
「それは、晶くんのテスト用紙に間違い有りませんね」
 名前の筆跡、几帳面に塗られた40個の升目……確かにこのテスト用紙は、晶の物に間違いなかった。
「はい、僕のテスト用紙です……」
 三人の視線が注目する。
「君は、何故この升目を選んで塗りつぶしたのかな?」
「……あの……変かもしれませんが、色が違って見えた様な気がして……」
 晶は、正直に答えた。
「君には、この40個の升目が色が違って見えたんですね。その他に気付いた事は?」
 何故か葛西は尋問をするかのような口調になってきている。
「……はい……濃さが全部違って見えました……」
 三人は頷き、顔を見合わせる。
「やっぱりそうだ。これで、君だと言う事が解った……それでは協力しなさい」
 そう宣言する葛西。シンディは葛西の後ろに立ち拍手をしている。澪は晶の隣に座り直し、手を取った。
「やっぱり、そうだったんだな……始めて有った時から何かを感じた。同じ血を感じたんだ。これであいつらに勝てる」
「えっ……何がそうなんですか? 僕は何も解りませんよ。勝手に納得しないでください」
 個々に違った喜びを見せる三人に対して、また、一人取り残される晶。
「まだ解らないの? って澪を見て何か感じない?」
 葛西が、まだ何も解っていない晶に聞き返す。それもその筈だ、澪と出会った時には、澪はバンパイアの存在に気づき、葛西の登場も予知していた。当然、澪と同様に何んとなくは、こちらの登場を夢か何かで予知している物と都合良く思っていたのだ。
「……片桐さんを見て何か感じるって……ただ……素敵な人だなって思いますけど」
 澪も自分と同じように、何かを感じていると思っていた。
「それだけしか感じないのか……これの色がちゃんと識別できたんだろ……」
「ゴメンナサイ……色が違うのは解りました……でもこれが僕と何の関係が有るんですか」
「色が解るのに何故、僕に対して何も感じない……」
 澪はもどかしかった。同じ一族で有る事は澪自信が感じ取っている。しかし、晶は澪の血を感じていない。
 澪はさらに詰め寄ろうとする。
「待つんだ澪……彼は本当に何も解っていないようだ」
 葛西は、シンディから手渡されたノートパソコンのディスプレイを見ながら答えた。
「見つけだした時に、浮かれてないでちゃんと身辺調査を行っておけば良かった。彼は何も聞かされていないんだよ。と言うより聞けなかったんだ」
 リビングには傾いた夕日が射し込み、四人の顔をオレンジ色に染めていた。

つづく(第二章 出会い3)
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