非公認地球防衛軍 第二章 〜出会い 3〜


 晶は、シンディと共に買い物に出かけていた。突然、3人の来客があった為、先程の買い物だけじゃ足らなくなってしまったのだ。
 マンションに残された澪と葛西は、3杯目の紅茶を口に運んでいた。
「だから、晶はこの事を知らないし、私に会っても解らなかった訳なの……」
「解らなかった訳じゃない。今までに感じた事のない物は感じていたんだ」
 二人は、晶が何故一族の事を知らなかったのか話していた。
 澪は、5歳まで祖母に育てられ、一族の伝説を聞き、祖母が亡くなる間際に伝承の儀式を受けていた。多少なりとも、力が開花していたため葛西が訪ねてくるのも解り、晶と出会った時も、パートナーである事を晶よりも強く感じる事が出来たのだ。
 しかし、晶は澪と違い、生まれて直ぐに今は亡くなった両親の元で暮らす事になった。なぜ、そのようになったのかは解らないが、晶の義父達は、一族とは何も関係のない普通の人間だった。伝説も知らず、何の儀式も行われていない晶は、普通の人間と何ら変わりない生活を送っていた。何か感じたとしても前知識がないのだから、そこに結びつける事が出来なかったのだ。
「これからどうするの」
「とにかく、お前らは出会ったんだ。晶にもちゃんと一族の血が流れている。慌てる事はない。その内、理解できるさ」
 根本的に楽天家の葛西であった。
 晶も順応性が有ったのだろう。今の話を聞いて始めは驚いていたが、日も傾き始めたので夕食でも食べて行けと言いだしシンディと共に買い物に出かけていった。
「……晶が理解していなくても、チェンジは出来るのかな」
「その点は大丈夫だ。チェンジは記憶で行う物じゃない。血で行う物だから、晶の精液を受ければ、今まで以上のチェンジが行える事は確かだ」
「いざとなれば、押し倒しちゃえばいいって事……」
 澪は女の子のくせにとんでもない事を口走っている。それに、何処か嬉しそうだ。
「晶もした後はチェンジするのかな……」
「それは解らない。晶側はあくまでも澪をチェンジさせるためのトリガーだけかも知れない。現に多少の血を受け継いでいる私も何の変化もないしな。ただこれも私の血が薄いから、何も起こらないだけかも知れない。もしかすると、お前はずっと男のままになってしまうかも知れないぞ」
 もしそうなったら、かなり重大だ。澪は、ソファに身を沈め天井を見つめた。
「それなら、それの方がいいかな……男の方がしょうに合ってると思う。SEXは気持ちいいけど女の子抱いてる方が楽しいし……」
「へっ? 女を抱くって?」
「アレッ! 言ってなかったっけ。チェンジした後、何人か女の子抱いてるし、研究所にもいるじゃない。気が付かなかった?」
「お前……チェンジの後、そんな事やってたのか……そう言えば、お前が帰ってきた後いつもシンディがいないような……」
 澪の一回のチェンジは2時間程だった。戦っているのは10分も戦っていない。移動などを会わせても1時間有れば充分だ。後1時間は、完全に余ってしまう。別に男になど興味のない葛西は、澪の事を監視している訳がない。まさかその時間に、シンディや女の子とSEXを楽しんでいるとは思ってもみなかった。
「しかも、面白いんだよ。出しちゃうと2時間経ってないのに、女に戻っちゃうんだ。だから、外で他の女の子抱くときはもう大変。ちゃんと失神させないと驚かせちゃうからね」
「……何でそう言う事言わないかな〜。女に戻る方法が有るなら、言っといてくれないと研究しようもないでしょ」
 そう言いながらも、葛西は内心危機感を感じていた。1時間足らずで女をホテルまで誘って、しかも失神させてしまうとは……男のままでいさせたら、とんでもないプレイボーイになる事は間違いない。
「いいじゃん、そんな小さな事言わなくたって……戦った後なんだからさ」
 まじめな話から、途轍もなくくだらない話しに移行した時、晶とシンディが帰ってきた。
「ただいまぁ〜。直ぐに支度するから待っててくださいね」
 二人はそのままキッチンに立ち、夕食の用意に取りかかる。
 いつも一人で立つキッチンとは違い、シンディと一緒に夕食を作るのは楽しい一時であった。しかもシンディは、色々な料理のデータがインプットしてある。晶は、嬉しそうに料理を教えてもらっていた。
 笑顔が輝いている。キッチンに立つ小柄な晶は、女の子にしか見えない。そんな晶をソファに座る二人は見つめていた。
「晶が女の子に変わったら面白いんだろうな」
「……うん、その方がきっと良いような気がする……あっ、もしそうなっても晶は僕のパートナーだから手出しちゃダメだからね」
 晶に比べて、ソファで話している澪は、スカートを履いていても考え方は男だった。
「そりゃ解らないぞ。晶が俺の事好きなったらどうしようもない」
「そんな事ないよ。私を見る晶の視線に愛情が感じるもんね」
 これでは、男同士の恋人の取り合いだ。
「食事の支度出来ましたよ」
 そう言われ、二人は休戦し立ち上がった。テーブルには美味しそうな食事が、所狭しと置かれている。
「へぇ〜。晶って料理上手なんだね」
「そんな事ないよ。シンディさんが丁寧に教えてくれたから……それにまだ、食べてないじゃないですか」
 エプロンを外し、赤い顔をした晶が席に着く。澪に褒められるとなんだか嬉しい。
「さぁ、食べてください」
「いただきま〜す」
 最初の一口をジッと晶は見つめていた。
「おいしい! 本当に美味しいよこれ」
「良かった。どんどん食べてください」
 今日の夕食は、久々に楽しい食事だった。今まで血の繋がりが有る人と出会った事がない。葛西の話がどうであれ、澪に何らかの繋がりが有る事は感じられる。ただ、それだけで心が弾んでいた。
「……あの……良いですか」
 食事を済ませ、お茶の用意をして戻ってきた晶が、深刻そうな顔で葛西に聞いた。
「何だい」
「……ぼくも何となく片桐さんの事……なんて言うか、今までと違う感じがしたんです。だからきっと、祖先が同じだって事は何となく解ります……でも、ぼくは一体何をすれば良いんですか……何も解らないしお役に立てないと思うんですけど……」
 真剣な顔をした晶に圧倒されたのか、三人は同時に紅茶を口に運ぶ。そして、目配せをすると葛西が話し出した。
「それじゃあまず。何故我々がバンパイアと戦っているか理解して貰おう」
 葛西は立ち上がり、これまでの経緯を説明しだした。
 バンパイアの生態は殆ど解っていない。解っている事は、バンパイアが主食として人間の精(生体エネルギー)を摂取していると言う事だった。その摂取方法は色々と有るようだが、理性が働いているときに摂取する事は難しいらしく、人間がもっとも理性を失う時、SEXと言う行為を主軸にして行われる事が多かった。
 人間から精を取り出す方法は、今までに解っている物は二つ。一つは、直接バンパイアが人間とSEXを行い、躰に流れる全ての精を抜き取る方法。この時、全ての精を抜き取られた人間は死を迎える。
 もう一つは、人間を使い魔にして精を集めさせ摂取する方法だ。多くのバンパイアがこちらの方法をとっていると考えられる。何故こちらの方法を行うのか? それは、目立ちにくいのと多くの使い魔を所有する事によって、一度に沢山の精を集められる点にあった。使い魔の摂取方法も基本的には同じである。しかし、一度に摂取出来る量が少ないため、何時も以上に疲労感は感じるだろうが死ぬ事はない。連続して摂取されれば最終的には死を迎えるだろうが、自制心を無くさせるほどの能力がないため、殆どは一度すれば終わりになってしまう。その為、使い魔は別の獲物を見つけて何人からも集める事となる。それでは、使い魔となった人間はどうなるのか? バンパイアの精を受ける事で、その能力を得る事が出来る。本来人間は、他人の精など貯める事の等出来ない。その為、躰にかなりの負担が掛かる事なる。それは自分の精を使う事によって、他人の精を貯めると言う行為なのだ。そして、それを繰り返す事によって、どんどん自分の精が削られていき最終的に死にいたってしまう。
 最近、若者の変死事件が急増しているのは、大半がバンパイアが絡んでいる事件で有る事が、葛西が調べで解ってきた。
「──それを阻止する為に、君たちの祖先が歴史の影で戦ってきたと言う訳だ。ちなみに私も多少なりともこの血が流れている……そう、そしてその血が現代に蘇り、バンパイアと戦えと告げているのだ!」
 最後には訳の解らない力説を唱え、葛西は握り拳を高らかに差し上げた。後ろではシンディが小さく拍手をしている。
「はぁ……バンパイアによって生命を犯されている人たちが居る事は解りました。それは、僕も大変な事だと思いますし、許せません。でも……僕に一体何が出来るんですか」
 この説明では、確かに晶の質問に答えていない。葛西は、冷めた紅茶を一口飲んだ。
「そうだな、まぁとりあえず。今日は澪をここに泊めてやってくれ」
 そう言うと葛西とシンディは、紅茶を一気に飲み干し席を立った。
 訳の解らない申し出に、晶の頭には「?」マークが沢山浮かんでいる。
「それじゃ、澪! 後の事は頼んだぞ」
 呆気にとられいている晶を残し、二人はサッサと部屋を出て行ってしまった。その後ろ姿に、澪はにこやかに手を振って見送る。
 葛西とシンディが居なくなり澪はともかく、晶は何となく居づらい雰囲気になっていた。澪といるのが嫌だと言う訳ではない。空気が変わったと言えばいいのだろうか……その空気が、晶を緊張させた。
「あ……片桐さん…紅茶もう一杯のむ……」
 晶は慌てて席を立ち、お茶の用意をしようとする。
 キッチンへ逃げようとする手を澪は素早く掴み、ソファへと引き戻す。
「晶……説明してない事が一つあるんだ。凄く大事な事何だけど……聞いてくれる」
 澪は晶にすり寄って行く。それを晶は後ずさりをしながら避けようとする。
「……なっ何……」
 晶は今までにない胸の高鳴りを覚えた。
「バンパイアと戦う為にはある儀式が必要なんだ」
「……儀式……」
「そう……儀式をする事によって、バンパイアを凌ぐ能力を身につける事が出来るの……それは、多少の血を受け継いでいる博士でも可能だったけど……一族の直系に当たる晶となら、それ以上のパワーが得られるの……ねぇ……儀式を今から試してみない……」
 ソファの端まで逃げていた晶だが、肘掛けのせいで逃げられなくなってしまう。更に澪の顔が唇に触れそうな位置まで近づけている。
「ダメだよ……片桐さん……ダ……」
 澪は優しく晶の唇を塞いだ……
 晶は少し震えながらそれに静かに答えている。躰は緊張しているが、心地よい波動が晶に伝わってきた。
「うっ……ううん……」
 ゆっくりと晶も唇を求め、両手で澪の首を抱いた。躰がどんどん熱くなってしまう。
 唇を塞ぎつつ澪の右手が躰を舐める。戸惑いながらも晶は身を委ねていた。そして右手が股間にたどり着き、ズボンの上から優しく愛撫した時……
「晶……君をちょうだい」
 ゆっくりと、唇を離し耳元で囁いた。
「……ダッ…ダメだよ……それに、儀式って何なの……」
「もう、勘が悪いんだから……二人が交わらないとダメなの……晶の精液を貰わないとパワーが出せないの……バンパイアと戦うためには……チェンジするには、どうしても必要なの……」
 既に赤くなっている晶の顔がさらに赤くなりる。
「せっせ……せっ精液って……どうやって……」
「もうっ……SEXしないといけないって事。」
「……セッ……セッ……」
 驚いて言葉にもならない。
「そんなに赤くなんないでよ。SEXはした事なくても、オナニーぐらいした事有るでしょ……男の子なんだから……」
「……しないよ……そんな事……」
「ウソ……恥ずかしがらなくても良いんだよ。みんなやってる事なんだから……」
「本当だよ……そんな事した事ない」
 どうするのか解っているが、晶は一度もオナニーをした経験がないどころか、夢精すらした事がない。次は澪が驚く番だった。目を大きく見開いて晶の顔を覗き込む。
「……晶……オナニーした事ないの……」
「……した事ないよ!」
 晶は澪を突き飛ばし、自分の部屋へ逃げ込み鍵を掛けてしまった。
 何が起こったのか咄嗟に判断出来ず、澪は唖然としてソファに座っている……
「何でこうなるの? 確か今、僕が女の子の筈だよね。何で晶が女の子みたいに逃げちゃう訳?」
 晶が逃げ込んだ部屋を見つめ、頭を掻きながら部屋へ近づくが、声はかけずに中の様子を伺ってみた。中で晶が泣いてると思ったからだ。
 部屋に逃げ込んだ晶は、ベットに座り異様に早くなった胸を押さえていた。
「……何で、片桐さんはあんな事するの……チェンジって何……僕の精……そんな事すると強くなれるの……」
 余りにも一日で色んな情報が入ってきた晶の頭は、澪の大胆な行動で一気にパニックを起こし、自覚出来る程、冷静で居られなくなっていた。
 その時、静かにドアがノックされ、澪の優しい声が聞こえてきた。
「晶……ゴメン……ちゃんと説明もしないで迫っちゃって、とにかくこのままで良いから、僕の言う事聞いてくれる……」
 その後、澪はゆっくりと丁寧に話したのだった。一族の者の精子を受けると男に変身し人間以上の力、超能力が得られる事、その力がないとバンパイアに太刀打ち出来ない事……その為には、晶の協力が絶対に必要だと言う事を説明した。
「……今までは、博士のサポートキッドで何とか対等には戦ってきたけど、向こうの進化が早すぎて、どうにもならなくなって来たの。だから、純粋な一族の血を引く者との完璧なチェンジが必要になってきた……解ってくれるよね……」
 説明を聞いている間、一言も喋らなかった晶だが、消え入りそうな声で話し出す。
「……解る……解るけど、そんな事いきなり言われても、片桐さんと…その……直ぐになんか出来ないよ……今日初めて会ったばっかりなのに……片桐さんの事……まだ、何にも知らないのに……」
「晶、解ったよ。いきなり襲いかかってゴメンね。もうしないからここ開けてくれないかな……こうやってても、私の事解って貰えないし、とにかく顔を合わせて話し合おうよ」
 等とは言っているが、澪は鍵が開けられたら直ぐに晶を押し倒すつもりでいた。
 それ程、完全なチェンジが魅力的だった。早くチェンジを試して見たい。どの位のパワーが出るのか知りたかった。
 しかし、晶はそれを察知したのかは解らないが、部屋から出てこようとはしなかった。
「……ゴメンナサイ……今日はこのままで居させて……隣の部屋のベットを使ってください。タンスにパジャマも何種類か入ってます……自由に使って良いですから……お風呂もさっき沸かして置いたので入って下さいね……本当にゴメンナサイ……」
 そう言って晶の声は途絶えてしまった。
 澪も諦めてリビングに戻りソファに身を沈める。
「……なんか、女の子泣かせてるみたいで嫌な感じだなぁ。今までの女の子泣かせた事無かったのに……晶も男なのに、性欲ないのかな……まぁいいや、お風呂入って寝よ」
 元来、頭を使うのは苦手な澪である。深く考えようとはせずお風呂に入って、サッサとベットに潜り込んで寝てしまった。

 午前2時を少し回ったくらいだろうか、部屋のドアが開く音が聞こえてきた。その僅かな音に反応して澪は目を覚ました。どうやらトイレに向かっている様子だ。
 ジャバアァァァ……
 トイレから出た晶が、部屋へと戻っていく……音だけに集中する。
 バタン
 ドアの閉まる音……しかし、鍵の掛けられる音が聞こえてこなかった。澪はベットを抜け出し、晶の部屋へと向かう。
 月明かりが差し込むリビングの中を全裸の澪が静かに晶の部屋のドアに近づいていく。
 何故澪は裸で居るのか……澪は寝る時は、何も着けずに寝るのが習慣になっていた。ドアに近づき耳を付ける……何の音も聞こえてこない……静かにノブを回し、少しだけドアを開け中の様子を伺い見ると、ベット上に横たわる晶の姿が確認出来た。
 熟睡しているのか、全く気が付いている様子はない。澪は、部屋へ入りベットへ近づく。眼下にはタオルケットをお腹の所にだけ掛けた晶が静かな寝息を立てていた。
──……かわいい。本当に女の子みたい……女の子だったら良かったのにね……あっ、それじゃダメなんだ……
 その寝顔を見ていた澪は、晶のほっぺたに軽くキスをした。
 深い眠りに着いているのだろうか、キスをされても起きる気配すら感じられない。
 それを良い事に、澪は一気に行動を開始した。今まで培ったテクニックが物を言う。一瞬のうちに晶のズボンとパンツを脱がしベットの脇に放り投げる。
 女の子の足と見間違える程の綺麗な足の付け根に、晶の物はしっかりと付いていた。
 その先に軽くキスをして口に含む。舌で刺激された晶の男根は、見る見る大きくなり澪の口に広がっていく。
 以外と立派な晶の男根を口に含み、澪は知らず知らずの内に興奮していた。
──ああっ…凄い感じる……やっぱりこれも血のせいなのかな……口に含んでるだけで、股間にも入れられてるみたい……
 たまらず頭を上下させ、手は自らの秘裂に当てられていた。
──……あんっ……こんなに濡れちゃってる……あああっ……流れちゃう……
 晶も感じているのか、女の子のような喘ぎ声が漏れ始める。
「はあぁ……あんっ……」
──晶も感じてるんだ……晶の喘ぎ声可愛い……
「……あうっ……」
 晶の喘ぎ声が一瞬止まる。と同時に口の中に精液が放たれていた。
──……あああっ……晶の初めての射精……私の中に出てる……
 喉を鳴らしながら、精液を一滴残らず飲み干した……
 その時、突然躰に変化が生じ始めた。
「はあぁ……熱い……躰が……」
 躰の中心に、火の玉が出来上がり破裂しそうになる。これより弱い感覚を覚えた事がある……チェンジをする時の感覚だ。そして、澪の躰は光に包まれていった。
「……チェ…チェンジするの……」
 葛西の精液では、口からの摂取でチェンジする事は無かった。より中心に近い所から精液を注ぎ込まなければチェンジしなかった。
 数秒間放ち続けた光は、躰の中に吸い込まれていった……そして、そこに立っていたのは一人の少年だった。澪はチェンジを完了していた。
 しかし、今までのチェンジとはまるで違う。パワーが指先まで満ち溢れている。
「……何だ、この内からこみ上げてくるパワーは……これがチェンジなのか……今までのチェンジとは比べ物にならないパワーが溢れてくる……勝てる、勝てるぞ、これなら彼奴らに勝てる……」
 澪はベランダに飛び出し、軽くジャンプすると手摺りに飛び乗った。6階の高さがいつもよりも近く見える。
「いける」
 手摺りを蹴った……プールに飛び込む様に……地面がどんどん近づいてくる。地面僅か3メートルの所で、素早く躰を回転させ着地した。何も音を立てない柔らかい着地だった。
 新しい躰の反応に、ニンマリと笑みを浮かべる。
 念を込めるかのように目を閉じ、一気に筋肉を解放した。躰は一瞬にして10階の高さまで飛んでいた。そして、マンションのカベを蹴るともの凄いスピードで街中を飛び抜けていった。
 部屋に取り残された晶は、グッタリとベットに横たわり息を荒げたまま眠っていた。
 露わになった下半身には、先程まであった晶の男根が、始めからそこには何もなかったように消え去っていたのだった……

つづく(第三章 浸食1)
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