Virus 第四章 〜追跡 3〜


 総一を取り逃がしてから。三日が過ぎようとしていた。翌日、加代に昨日はどうしたのかと聞いてみた所、案の定滝沢に捕まっていたと言う事だった。
 その後二日間、総一を見張ってみたが、これと言って可笑しな所は一つも見つからなかった。強いて言えば、生徒会がない日でも生徒会室へ向かい、勉強をしていたと言う事くらいだろうか。
 それよりも気になったのは、反対側の部屋だった。総一を見張りに行った三日間、必ず隣の部屋では、男女の密会が行われていた。
 誰が来ているのかは確認する事は出来なかったが、あの場所を知っている生徒は余りいない筈なので、同じ人物である可能性は高い。昨日など、声から判断したのでハッキリとはしないが、女一人を何人かの男が犯しているように聞こえた。その時は、流石に萌も冷静ではいられず、右手を下半身に伸ばさずにはいられなかった。
 それは、どうでもいい事だが、総一に怪しい所が無いとすると後は別の「沖田」と言う事になる。明日からは学校を休み、調査を開始しないといけない。
 その事もあってか、学から「今日は話がある。なるべく早く帰ってこい」と言う指示あった。
 学はと言うと、部屋に籠もり何やらある物を制作している様子だった。
 あの日から、萌(AI)も学の部屋に泊まり込み、体中にセンサーを付けて毎日オナニーをさせられている。その為、躰には疲労が溜まる一方で、授業中に居眠りをする事もしばしばだった。
 幸いだったのは、大した事件もなく毎日が平穏に過ぎていくことだけだった。故に、今日も一日平和であった。期末テストも近いので、他の生徒達はノートの貸し借りに余念が無かったが、AIには関係ない事だった。点数はいつもの萌と同じような点数を取れば良いのだ。
 午後の授業も終了し、教科書を鞄に仕舞っている時に、加代が小走りに近づいて来て小声で萌に訪ねた。
「今日も、例の所に行くんでしょ? 今日は私も付き合えるから一緒に行こう」
「……ゴメンね加代。もう良いわ…生徒会長は違うよ……きっと違う人だったんだよ。なんかすっごく真面目なんだもん。ビックリしちゃった。そんな人が変な事する筈無いよ」
 加代は、萌の顔を真っ直ぐに見つめ薄い微笑みを浮かべながら、その話を聞いていた。
「それじゃ、今日は一緒に帰ろう。萌の退院祝いもまだやってなかったから、あたしが奢ってあげる。パフェ食べて帰ろう」
 そう言うと加代は、サッサと自分の席に戻り、急いで教科書を鞄の中に詰め込んで、萌の元へ戻ってきた。
「さあ、早くいこ!」
 満面の笑みを浮かべた加代は、萌の腕を引き歩き出した。学との約束も気になったが、加代を余り邪険には扱えない、僅かな時間なら構わないだろうと考え、素直に加代に従う事にする。
 それより、先程の見慣れぬ笑みは何だったのか…AIは、僅かな違和感を感じながら、加代の後に着いていった。

  * * *

 一人歩く萌の影が長く伸びていた。
 結局マンションに戻ってきたのは、午後6時を回っていた。久しぶりに一緒に出かけた加代が、なかなか帰してくれなかったのだ。AIにとっても、いい気分転換になったのは確かだったが「なるべく早く帰ってこい」と言われていたので心が痛む。
 都心へは出ず、学校の近くの駅前をふらつく事にした二人は、ウインドウショッピングをし、パフェが美味しいと評判の喫茶店へ行って長話をしていた。
 こんな事をしている暇など無い事は、充分解っているつもりだったが、AIは人間の躰に進入してから、どうしても欲望に勝てない自分が出来上がりつつあるのを感じていた。これが人間の感情の動きなのかも知れない。コンピュータには到底計算出来ないものだ。
 席に座り、フルーツのいっぱい乗ったパフェを前に、加代が話してきた事は総一の事だった。先程の説明では納得しなかったのか──それより萌を心配していると言った方がいいかも知れないが──他に犯人の手掛かりになる事は無いのか、本当に総一に怪しい所は無かったかを真剣な眼差しで聞いてきた。
 この三日間、総一を見てきたが、特に可笑しな所はない。種を植え付けられ、可笑しな行動をする人間も見つからなかった。魂を持ち合わせた人間の中に、種を植え付けた場合、行動に可笑しな点が出てくる。自らが進入し人間の魂を食い尽くし、その人間の記憶だけを使って行動しているのであれば、なかなかばれる事はないが、種と一緒に魂が混在している状態であれば、何らかの異変が見て取れる筈だ。
 しかし、その様な人間は見あたらなかった。AIの考えでは総一が〈トロイ〉である事は、色々な状況を考えて白と言う答えをはじき出していた。
 総一が犯人で無い事をもう一度、加代に説明したが、加代は珍しく何度も話を聞いてきた。
 なんだかんだと、その話が30分以上続いただろうか、やっと納得のいった加代は、その話を打ち切り、萌が学校へ来ていなかった時に、何があったかという止めどない話を嬉しそうに話し始めた。
 こうして加代と別れたのが20分位前、萌はマンションのオートロックの前にいた。部屋番号を入力してインターフォンを押す。
「はい」
「AIです」
 数秒後、扉が開き萌(AI)は最上階の部屋へと向かった。
 誰も居ないエレベーターに乗り込むと叱られはしないか少し不安なる。
 エレベーターを降り、扉の前に立つと一呼吸置いてからインターフォンを押した。
 音が鳴り終わらない内に応答があった。
「……扉は、開いてる」
 マンションにしては比較的広い玄関で靴を脱ぎ、その靴を玄関の脇に備え付けてある収納棚に入れる。玄関に靴を出したままでいる事を嫌う学への配慮だ。その為、いつも玄関には、一つの靴も出されていなかった。それと入れ替わりに、スリッパを出してリビングへ向かう。何度目かの訪問の為、結構勝手が解ってきた。
 リビングの扉を開けると、そこに学の姿は無かった。鞄を中央にあるソファーに置き、シアタールームの扉をノックするが何の反応も無い。
 仕方ないので静かに扉を開けてみる。
「失礼します……」
 中にも姿は見あたらなかった。萌(AI)はリビングとこの部屋、そしてベットールームしか入った事がない。他に何部屋かあるようだが、学は他の部屋は見せてくれようとしなかった。別に彼女になった訳では無いので、当然と言えば当然である。
 仕方なくベットルームも除いてみる事にした。先程返事があったのだから、寝ているとは考えられなかったが念のため見に行くことにする。シアタールームの扉を閉め、隣にあるベットルームへと近づき、ノックをして扉を開いた。
「AIです。入ります」
 扉を開けた瞬間、女の喘ぎ声が耳に飛び込んできた。
「あっあっ……もっと深く……凄い…凄いの……」
 目に飛び込んできた光景にビックリして、その場を動けなくなってしまう。
 ベットの上では、学と見知らぬ女が絡み合っていた。
 女は学よりも年上に見える。ウェーブの掛かった髪を栗色に染め、化粧をした顔立ちは22、3歳だろうか、萌にはない色気を発している。
 女を横に寝かせ、片脚を抱えるようにして腰を激しく振っている。その学の動きに合わせ女も負けじと腰をグラインドさせより深い快楽を求めている。かなりSEXに慣れている感じだ。それでも学の性技には勝てずに乱れきっているのは一目見て解る。それを証拠に女は萌(AI)が居ることを全く気付いていない様子だった。
「……よう。ちょっと待ってくれ……今、性能テストの真っ最中……だから」
 学の声など耳に入って来ない。萌(AI)は慌てて、部屋を飛び出して行った。慌て過ぎたせいで、ベットルームの扉を完全に閉める事が出来ず。悩ましい喘ぎ声がリビングまで聞こえてくる。
 ソファーに蹲った萌(AI)は、置いてあるクッションで頭を覆い隠し、その声を聞かないようにした。しかし、その声は僅かな隙間を通り抜け、耳に届いてしまう。萌(AI)は胸に嫌な物を感じ、必死でそれに耐えていた。
──いや…こんなの……聞きたくない……
「いくいくいくいく……いくぅぅぅ……」
 一際大きな声が上がり、その後は潮が引いたように声が聞こえなくなった。女性が絶頂に達したのだろう。
 萌(AI)はその体制のまま動けなくなっていた。クッションを頭に被ったままで、一体どれくらいの時間が流れたのだろう。
 聞くまいと思っていても、耳からは色々な情報が入ってくる。かえって、見ているよりも敏感に音を感じてしまう。絶頂から十数分後、二人はシャワールームへ、向かったようだ。
 余韻を味わっていたのだろう。学の萌(AI)には見せてくれなかった優しさが、ずっしりと胸に突き刺さる。
 楽しそうに戻ってきた二人は、再びベットルームへと消えていった。そして、さらに数十分経って扉が開いた。
「またネ。店に出るときは電話してね。絶対に行くから……それと…こういう事なら何時でも呼んで仕事休んででも駆けつけるから」
「解った。今度電話するよ」
 口付けをする音が聞こえてくる。
 まるで、萌(AI)に聞かせるようだった。萌(AI)の事をライバルだと思ったのだろう。しかし、店でナンバーワンの学に不平を言って嫌われるのは嫌なのか、気付いていながら、気付かないふりしている。
 リビングの扉が閉まり、学は女を見送りに行った。それでも、萌(AI)はその体制を崩そうとはしなかった。
 扉が開き、近づいてくる足音が聞こえる。黙ったままソファーが揺れた。萌(AI)の鼓動が高鳴る……何故、そうなるのかは解らない。
「遅かったな。いつまでそんな恰好してるんだ?」
 何時もと変わらぬ声が、耳に飛び込んでくる。それでも、萌(AI)は動かない。
 呆れながらも、学は頭に被ったクッションを鷲づかみにし、頭から引き剥がした。渋々起きあがる萌(AI)の顔は涙で濡れていた。
「……お前、泣いてるのか? 泣くこたぁないだろ」
「……誰なんですか……」
 掻き消えそうな声で訪ねる。何故その様な事を聞くのか自分でも解らない。
「何だよ。どうしたんだお前……」
「……いやです…マスターが……何だかいやなんです……」
「何だお前、やいてんのか?」
 「やいている」AIにはその意味がわからない。何故、嫌なのかすら解っていない。
「アレは、店の客だよ。今日のは普通の人間に対しての最終テストで手伝って貰ってたんだ」
「……最終テスト……」
 何も聞かされていない萌(AI)には、何を言っているのかさっぱり理解出来ない。
 涙顔のまま学を見つめる萌(AI)の頬に、右手が伸びてきた。人差し指で流れ落ちる涙を拭い、優しくおでこにキスをする。
「そっ〈トロイ〉を探す事が出来る。僅かな可能性だけどね…後はAI、お前で試すだけだ」
 そう言って、ジーパンの後ろのポケットに入っていた折り畳み式の携帯電話をテーブルの上に置いた。
 それを見ようとする萌(AI)の顔を引き戻しキスをする。とろけるような甘いキス……先程までのモヤモヤが嘘のように晴れていく。学の口付けだけで頭の中の霧が晴れていくようだった……いや、むしろ霧が濃くなっていくのかも知れない。この時間をずっと味わっていたい。もう、それしか考えられなくなっていた。
 ゆっくりと押し倒される……
 触れ合うほど近づけられた顔が、萌(AI)の瞳を埋める。そして、胸は学に聞こえてしまうのではないかと思うくらいに鼓動を早めていった。
 再び唇を重ねながら、学の腕がスムーズに動き出す。
 制服を捲り上げ、いつの間にかホックを外されたブラジャーは、胸を隠す役目を果たしていなかった。
 愛撫もされていないのに体中に薄い快楽が染み渡り、乳首がピンと突き立っている。その先端を転がすように人差し指で愛撫を始める。
「はああ……」
 溜まらず声が出る……
 萌の躰とAIは、相性がいいのだろ。どんどん感覚が敏感になっていく。躰を触られるたびに全身に快感と言う電気が走り抜けていた。
 唇が乳首を吸った。行き場を失った手は、次の居場所を探し迷わず股間へと伸びていく。スカートの中へと進入し、パンティーの上から股間を優しく触れた。そこは既にパンティーの上からでも解るくらいに濡れていた。
 秘裂に沿って指が這っていく。それだけで、震えるように躰が反応してしまう。
「あああ……」
 萌(AI)は学の手を取り、パンティーの中に滑り込ませた。手の進入を向かえるかのように、愛液が指に絡み付いていく。中指が秘裂を割って突き刺され、それに同調するように更なる喘ぎ声が、可愛らしい唇を割って洩れ出した。
「あああぁぁ……いい…気持ちいい……だめぇ……いっちゃいそう…もう…いっちゃうぅぅ……」
 どんなにローターやバイブを使おうと学の指の方が何十倍も気持ちがいい。今の躰なら胸や股間を触られなくても絶頂を迎えられるような気がする。その様な敏感な躰に、学の指は容赦なく快楽を注ぎ込んでいった。
「凄い……凄いの……いっちゃうよ……」
「いく時に、ワクチンを発動しろ。目標は俺の指だ! タイミングプログラムは書き換えていないな」
「……はっはい……あっあっ……もう…ちょっ……と……」
 指が更に激しく動かされた。
「はああああ……いくうぅぅぅぅ……」
 躰が大きく反らされる。萌(AI)の絶頂と同時に、テーブルに置かれた携帯電話のが鳴り出した。
 余韻を味わう事無く、学の指は抜かれ、快楽にピクつく萌(AI)の躰は、学の動きに着いていくことは出来なかった。やたらスローモーに首を動かし学を捕らえようとしている。
 学は携帯電話を取り画面を見つめていた。その画面の中央には、赤く光る点が点滅している。倍率を最大にして携帯電話を動かした。赤い点滅は萌(AI)を中心に手の動きに合わせ動いていた。
「よし、成功だ」
「…はぁはぁ…なん…ですか…それは……」
 虚ろな目を必死に学に向けながら、その事だけを聞いた。
 学は携帯電話を萌(AI)の顔の前にかざすが、萌(AI)には何処にでもある携帯電話にしか見えない。
「携帯電話…ですか……?」
「携帯に偽装してあるレーダーみたいなもんだな。これで〈トロイ〉が、何らかのプログラムを打ち込んだ時に、その居場所が解るんだよ」
 学は偽携帯電話を折り畳みテーブルの上に置く。
「そうですか…でも、それでは──」
「みなまで言うな…それは十分解ってる。〈トロイ〉がSEXした時しか解らないって言いたいんだろ。一度AIが接触したんだ〈トロイ〉も動きを止めているかも知れない……それでも、何らかのとっかかりが出来れば、ちょっと安心できるし、もしかするとこれで見つかるかも知れない」
 何らかの手掛かりが欲しい。学は藁おもすがる気持ちで、これを完成させたのだ。これだけで、直ぐに発見できるほど甘くない事は解っている。この他にも手を打っていない訳ではない。取りあえずレーダーが先行して完成しただけの事だ。
「…でも、何故その様な物が作れたんですか?」
「こないだ。向こうの世界をトロイが抜け出す時、何らかの磁場で相当ダメージを受けたって言ってたろ。それに、プログラムを発動する時に、特殊な電波が出るって言ってたじゃないか。それでAIの躰を使って色々調べた訳、そうしたらプログラムを発動させるとき、ほんの僅かだけど、時間にして2秒間だけ電波が発生してたのに気が付いて、それを探知する機械を作ったの。んでもって、今日最終テストをした訳」
 先程の女もテストに強力してくれた者だった。普通の人間とサイバー生物が進入している躰と絶頂に達した時の差を調べて見たのだった。結果、人間からは検出出来なかった電波は、萌(AI)の時にしっかりと検出出来たのだ。
 かなり納得いかない所もあるが、これで僅かながら〈トロイ〉を確実に探し出せる方法が見つかった。問題点は沢山あるが、無いよりはましだ。
「あの……他の『沖田』を調べなくても…」
「取りあえず、明日は学校に行く。一応、生徒会長を調べてみないとな。別にAIを信用してない訳じゃないけど、余り休んでると俺が卒業できなくなっちまうからな。それと他の『沖田』についてもちゃんと調べてる。人を使ってな……今の所、生徒会長と同じで動きは無い。明日からはコレと同じ物を持たせて調べて貰う」
 他の「沖田」にも変わったところが無いとすると、目下出来るのは、総一をもう一度調べ直す事しかない。〈トロイ〉を見失って、かなりの時間が経過したが、下手に強行に出る訳にも行かない。学は助かったが、学が特別なだけで、他の人間ではワクチンプログラムに耐えられる筈は無いからだ。
「でも、普通の人間じゃ〈トロイ〉は捕まえられません」
「それも解ってる。反応が有ったか無かっただけ解ればいい。反応が有れば後は俺達がそいつを追えばすむだろ。もし総一が〈トロイ〉だったら、いつか必ず尻尾を出す。他の連中もそうだ。だから今は、もう一度総一を調べ直すしかない。解ったな!」
 不安はあったが、明日、学が学校に来てくれると言う事で、何か変化が起こるのではないかと萌(AI)は期待していた。
「解りました……マスター……あの……」
「んっ。何」
「……さっきの…女性は……」
 先程の女が重要で無いことは、頭では解っていたが、どうしても気になってしまう。
「だからさっきも言ったろ。実験を手伝って貰ってたって」
「でもあの人にはちゃんと……でも私には……」
 最近萌(AI)は、学に抱かれていなかった。マンションに来てはオナニーをさせられていただけで、しかも先程の女とはちゃんとSEXをしていたのに、自分は指だけで済まされてしまった。
 萌(AI)の瞳からは再び涙が流れ落ちていた。
「あれは実験だって、別に気にすること無いだろう。さっきのにしてもわざと指でしたんだ。実験の結果を早く出して後でゆっくりとしようと思ってたからな」
「えっ……」
「嫌なのか?」
 その言葉に萌(AI)は顔を真っ赤にして驚いた。
「そんな…嫌なはずない……」
 萌(AI)は涙で潤んだ瞳をゆっくりと閉じ、唇を少し開いた。躰が熱くなって、鼓動がどんどん早くなっていった時、唇に甘い感触が広がっていった。柔らかな時間が流れていく、それは萌(AI)の躰をとろけさせるのに充分な時間だった。
 力の抜けた躰を優しく抱きかかえ、ベットルームへと向かった。
「マスター……」
「なんだ?」
「……いえ…なんでもないです」
 AIは今ハッキリと学を愛していると悟った。愛と言う感情を持ち合わせていない筈のサイバー生物が人間を好きになるなど計算出来ない。しかし、AIには解っていた。コレが肉体を持つと言うことだと……それが人間に与えられた特権だと言うことを……
 外はすっかり暗くなり、窓には綺麗な夜景が映し出されていた。
 街明かりも届かない真っ暗な空には、細くなった月が、まるで何かを暗示しているかの様に光り輝いていた。

つづく(第五章 接触1)
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